7/5,6 UCLの留学生とアグリツアーを開催しました!
7月5日から6日にかけて、ふぁーむ・わたなべの渡邉さんが企画したアグリツアーに参加しました。このツアーでは、三春町および貝山集落における農業や食文化を体験することに加え、震災からの復興の歩みを学ぶことを目的として、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)からの留学生4名と合同で活動を行いました。
【1日目】
午前中は、震災当時に三春町副町長を務めていた深谷茂さんから、原発事故直後の町の対応について詳しくお話を伺いました。

深谷さんによれば、三春町では大熊町や富岡町などからの避難住民を受け入れるため、8か所の避難所を新たに設置し約2,000人を受け入れたそうです。郡山市に受け入れ申請も行い、混乱が落ち着いたのは翌日の明け方近くとのことでした。また、毛布や非常食などの物資の提供を防災無線を通じて町民に協力を呼びかけたところ、多くの方々が自発的に動いてくれたと語っておられました。さらに、三春町独自の判断で安定ヨウ素剤を配布するなど、迅速かつ柔軟な対応をされたことも印象的でした。
行政の現場では、限られた情報の中で命に関わる決断を迫られる場面が多く、深谷さんの言葉からはその葛藤と責任の重さがひしひしと伝わってきました。
昼食は「三春の里 里の茶屋」でいただきました。三春揚げや三春素麺など、地元の食材を活かした料理を味わいながら、三春ならではの食文化に親しむことができました。食後には「トーフカフェおおはたや」で豆乳ソフトクリームを楽しみ、地域の味覚を堪能しました。

午後は、ふぁーむ・わたなべのハウスを見学しました。UCLの学生たちは渡邉さんの説明に深く聞き入りながら、渡邉さんに対して熱心に質問を重ねていました。
その後、渡邉さんの案内で福聚寺を訪問しました。渡邉さんは前職がツアーの添乗員であることもあり、聞き手を自然と引き込む力がありました。歴史や文化の話もとてもわかりやすく、心に残る時間になりました。

福聚寺の住職である玄侑宗久さんは、三春実生プロジェクトのキーパーソンの一人でもあります。玄侑宗久さんとの直接の対話は叶いませんでしたが、仏教や寺院の背景については、東北大学の学生が英語でUCLの学生に共有する場面もありました。
夕方には、6月23日に守屋木材で加工されたおが粉8袋(A〜H)を菌床用に分ける作業を行いました。このおが粉は後日菌床に加工され、放射性物質が菌床やシイタケにどの程度移行するかを調べる研究に活用される予定です。

夕食は「舞木ドライブイン」でいただきました。この店はテレビ番組『孤独のグルメ』にも登場したことがあり、懐かしさを感じる温かい雰囲気が漂っていました。定食の味噌汁には、ふぁーむ・わたなべのネギが使用されており、シイタケ菌床を肥料として再利用することで生まれる甘味が、ネギの風味を一層引き立てていました。

【2日目】
午前中はふぁーむ・わたなべのハウスでシイタケの収穫体験を行いました。参加者は初めての収穫作業に挑戦し、シイタケの成長過程を肌で感じることができました。

収穫後には、菌床の袋を固定するために輪ゴムを掛ける作業や、菌床に刺激を与えて発生を促すために木づちで叩く作業も体験しました。
これらの工程を通じて、普段自分たちが食べているものがどれだけの手間をかけて作られているのかを身をもって知ることができました。農業についての知見だけでなく、純粋な農業の楽しさを知ることができた有意義な体験でした。
昼食は「三春の里」でBBQを実施しました。特別にふぁーむ・わたなべのシイタケとネギを持ち込み、県内産野菜の魅力を味わいました。UCLの学生とは英語で質問し合いながら、参加者同士の交流を深めることができました。もっと英語が話せるようになりたいですね!

午後には、三春の名所である滝桜を訪問しました。夏の滝桜は生命力に満ち溢れており、春の満開の姿とはまた違った風情を感じることができました。開花の時期に訪れたことのないメンバーも多いため、来年の春にまた訪れたいと思います。

今回のツアーは、都市と農村のつながりを深める「アグリツーリズム」の一環として行われました。特に、貝山集落での農業体験や地元の食材を使ったBBQを通じて、参加者それぞれが地域との関係を感じながら、「関係人口」としての意識を少しずつ育んでいったように思います。
また、UCLの学生との合同参加は、地域の魅力を海外に伝えていくことを見据えた、実験的な取り組みでもありました。英語での説明や対話を通じて、地域の文化や農業の価値を多言語で共有できたことは、今後の展開に向けて大切な一歩になったと感じています。
福島県については、震災のイメージだけが語られることもありますが、それだけでは語りきれない豊かな歴史や文化があることを、以前からずっと大切にしたいと思ってきました。今回の交流を通じて、UCLのメンバーにもそうした背景を少しでも肌で感じてもらえたのではないかと思います。

